第二期 関東武士研究叢書 第6巻
三浦氏の研究
峰岸純夫・編
定価(8,500円+税)
関東地方の有力武士で豪族領主であった相模三浦氏は、三浦郡とその南端の三崎荘を支配し、相模の在庁官人の一角を占め、水軍を擁して江戸湾東南端から相模湾にいたる地域の海上警護の役を担っていたと考えられる。代々その職掌が「三浦介」と称されたが、三浦氏の歴史は執権北条氏との連係と衝突の歴史でもあった。
宝治合戦(宝治元年・1247年)で、三浦泰村・光村が滅亡した。しかし、北条氏に味方した佐原三浦氏によって「三浦介」は継承され、活動は戦国期までつながる。
本書は、鎌倉幕府政治史などを論じるなかで、三浦氏が鎌倉幕府のなかで果たした役割などを通して、三浦氏像を考察するる。
目次
第一章 相模武士団と三浦氏
中世初期における相模武士団(安田元久) 相模三浦氏についての考察(湯山学) 十一、二世紀における相模の国衙軍制と三浦一族(安池尋幸) 三浦義澄小考(伊藤一美) 三浦義村小考−その登場と幕府職制上の義村−(伊藤一美) 執権体制下の三浦氏(野口実)
第二章 三浦氏の諸相
鎌倉幕府と馬−三浦氏とのかかわりを中心に−(高橋秀樹) 矢部禅尼と宝治の乱−女子の財産権と結婚観からみる−(鈴木かほる) 三浦氏の仏教信仰とその文化(上杉孝良) 三浦義村の迎講−鎌倉における阿弥陀信仰を通して−(納冨常天)
第三章 室町・戦国期の三浦氏
三浦氏と鎌倉府(山田邦明) 戦国期の三浦氏(黒田基樹)
解説
三浦氏研究の成果と課題(峰岸純夫) 三浦氏関連史跡ガイド【三浦半島内】(上杉孝良) 三浦氏関係年表(真鍋淳哉) 三浦氏関係文献目録(真鍋淳哉)